現代、社会問題となっているモラハラ(モラルハラスメント)。そんなモラハラの加害者の多くは、自己愛性人格障害という病気を患っていることが多いといいます。
そこで今回は、自己愛性人格障害の特徴や治療法についてご紹介します。
自己愛性人格障害ってどんな病気?

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自己愛性人格障害は精神疾患の一種で、症状には以下のような特徴があります。
自分自身にコンプレックスがある
自己愛性人格障害の人は、自分自身を愛すことができず、何かしらのコンプレックスを抱えています。そして、無意識のうちに本当の自分を隠そうとし、理想的な自分を演じるようになります。その結果、「自分は誰よりも優れている」「自分の意見は正しい」といった強い自尊心を抱くようになります。
時に、本当の自分と演じている自分とのギャップに苦しんでしまうこともあるようです。
些細なことで劣等感を感じる
前項でもご紹介した通り、自己愛性人格障害の人は自らにコンプレックスを抱えているため、ちょっとしたことでも劣等感を感じてしまいます。そして、劣等感によって自分が傷ついてしまうのを防ごうと、自分の価値観を他人に押し付けたり、傲慢な態度を取るようになったり、自分は特別であると思い込んだりするようになります。
自己愛性人格障害になるのはどうして?

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自己愛性人格障害が引き起こされる主な原因としては、以下の2つがあげられます。
過保護な養育
過保護に育てられると、正しいことと間違ったこと、理想と現実などの区別がつけられないまま成長しやすくなります。すると、大人になったときに周囲から常識をつきつけられても、「そんなの間違っている」と自己を正当化するようになるのです。
親の愛情不足
親の愛情不足の状態で育つと、「気を引かなければ愛情は受けられない」という歪んだ考えを持つようになります。その結果、本当の自分を隠して自らが理想とする人間を演じるようになり、「自分は人から評価される、愛される価値がある」と自らに自己暗示をかけるようになります。
自己愛性人格障害を治すには?

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自己愛性人格障害という病気は、病院の精神科で治療することができます。
主な治療法としては、カウンセリングなどの精神療法、抗うつ剤や抗精神約を用いた薬物療法などがあげられます。家族がいる方の場合、家族とのコミュニケーションの取り方で病気を治していく家族療法も提案されます。
いかがでしたでしょうか。
自己愛性人格障害は、モラハラの加害者に多い病気です。自己愛性人格障害の治療を試みる人が増えていけば、次第にモラハラの被害件数も減少していくかもしれませんね。